COLUMN

ネットを使わない人が淘汰される理由

新型Cに関する様々な内容が話題になっていますが、あらためて普段からネットを使う人、使わない人の格差が激しくなっているように感じます。

コロナ禍の影響もあり、これからの時代はますますネットを使う、使わないの差は大きくなるはずです。

コロナの問題でも、例えば国や地方自治体はあらゆる手段を使って感染防止対策、財政支援策といった情報を国民や住民に届けています。

ホームページを中心にTwitterなどのSNSでも情報発信をしているところも多いですが、全員が受け取れるわけではないのも事実です。

というのも、まだまだネットを全然使わない人が多い現状があるからです。

アナログの周知方法と限界

  • 防災無線の活用
  • 防災ラジオの活用
  • ゴミ収集車などにスピーカー設置
  • 道路に看板設置
  • 広報誌の配布

どれも一長一短でメリットもあればデメリットもあるので、全部組み合わせるつもりで、様々な方法を駆使している自治体もあるようです。

もちろん、なかにはスマホやPCを持ちたくても持てない、ネット環境がない、不安定な世帯も多いと思うので、これらの「ネット以外で情報を伝える手段」の確保はこれからも欠かせません。

ネットが使えても、看板や広報誌のようにアナログの良さやメリットがあるのも事実。

ただし、どうしても限界があります。

広報誌は月1回の発行というところも多いでしょうし、情報が日々更新される状態では、届く頃には内容が古くなってしまい、場合によっては逆効果になる可能性もゼロではありません。

情報の即効性、緊急性、新鮮味には弱いと理解した上で、情報を一覧で確認するほうがいいかもしれません。

感染者数の推移など即効性や緊急性が求められる情報はあえて削り、外出自粛による運動不足への対策、生活支援情報のまとめなどに特化しているところもあるみたいです。

防災ラジオや防災無線も、忙しくて手が話せない時間帯などに耳から情報を得られるメリットは大きいですが、情報を乱発すると、本当に緊急性の高い情報が届きにくくなるデメリットもあります。

ネットを使わない人への情報 自治体は苦心

※一部抜粋

インターネットの普及などで、存在感の低下が指摘されているFM放送だが、東日本大震災の発生時に、各地域に密着した放送局が避難所の情報などをきめ細やかに放送したことで、災害時の情報源として役割が見直されていた。各自治体は今回の感染拡大でも情報伝達の有効な手段として頼りにする。

・・・

感染拡大で改めて自治体の情報伝達のあり方の難しさが顕在化した。近畿大の東郷寛准教授(地域経営論)は「インターネットに接することが難しい人たちもいる。自治体が情報を伝える際には、ネット以外でも情報が届く態勢をつくることが必要だ」と指摘する。災害発生時にも同様の課題は現れる。東郷准教授は「インターネットになじみがない人たちに無理にネットを使わせるのではなく、情報が伝達されるような地元のネットワーク、インフラ作成の支援を自治体が行うべきだ」と主張している。

2020年5月18日
産経新聞記事より

以前もこのような記事がありました。

このような記事が出ると

「じゃあ、テレビはどうなんだ」といった意見が必ず登場します。

確かにネットを使わない人たちでも、テレビを持っていて見ている人は多いと思います。

自治体の広報誌や掲示板、ホームページ、防災メールなどは、基本的に主体的に自分で情報をとりに行く必要がありますが、テレビだと、電源をつけて番組を流しておけば、受動的に情報を得られます。

ただし、NHKや民放も含めて、全国のニュースやワイドショー的な内容がかなり多いので、各地域のきめ細かい情報が随時流れてくるかと言われたら疑問が残ります。

ネットにも限界はある

このように書くと

アナログはダメ、ネット最高、ネット使わないとダメ・・などと受け取られるかもしれませんが、もちろんネットにもメリット・デメリット、限界もあります。

繋がらなければ情報を得られず、ネット環境が悪いと厳しいですし、その他も例えばフェイクニュースやデマという言葉があるように、ネット上で流れる情報が正しいとは限らず冷静に見極める力も必要です。

デジタルデバイド(格差)の拡大

ネット、アナログ、どちらも良し悪し、メリット・デメリットはあるものの、これからの時代はネットを使う、使わない人の間でますます格差が広がると思っています。

フェイクニュースやデマの問題はあるものの情報の即効性はアナログよりもはるかにありますし、自治体サービスの享受でも差が出てきます。

例えば、10万円の定額給付や、その他の補助金助成金等の手続きも、マイナンバーカード等の問題はあるにせよオンライン化されています。

オンラインで申請できる人は、3密になりやすいリスクをおかさず、順番待ちもなく、自宅などで落ち着いて、しっかり手続きを行って早く受け取れる一方で、

ネットを全く使わない人は、3密のリスクをおかして大混雑している役所に行かなければならず、順番待ちをするために長時間滞在しなければならないこともあります。書類に不備があると何度も通わなければならず、結果的に受け取れる機会が遅れることにつながります。

税金の確定申告でもe-TAXを使ってネット上で申告する人と、今まで通り窓口で手続きする人では控除枠が違う時代がやってきます。

同じ時間帯に同じ道路を同じだけ走っても、自動車の有料道路の料金がETCと一般では異なることがあるように、ネットを使うか、使わないかの差だけで、払うお金やサービスを受けるまでのスピードが違う・・そんな時代が一般的になるかもしれません。

結局は?

ネットを使いたくても使えない・・

普段スマホなどを使いまくっていたとしても、災害などが発生してネット環境がダウンすると、このような状況は全員起こりえます。

だからこそ、防災無線やラジオの活用、ゴミ収集車などにスピーカー設置、道路に看板設置、広報誌の配布などは欠かせないと思いますが、

アナログでもネットでも結局は、個人の姿勢次第という部分が大きいのかなと感じています。

国や自治体はもっとテレビなども活用して情報を流す努力をするべきといった意見もありますが、

防災無線、ラジオ、掲示板、広報誌など、アナログも十分情報インフラはあるわけで、情報を受ける側もリテラシーを高めていかなければ、どんなに凄いインフラを開発しても意味がありません。

サービスのオンライン化でも、必ず「スマホやPCがない、使えない人はどうするのか」「ネットが使えない高齢者にやさしくない」などと、文句だけ言う、徹底的に拒否する人もいますが、

国が〜政府が〜自治体が〜などと批判だけして待っているだけでは意味がない。

むしろ変化を受け入れ、積極的に情報をとりにいかないと時代に置いていかれて、場合によっては損をして搾取されるだけです。

自分自身もそうですが、受け身一辺倒ではなく、積極的に自分で考えて行動するクセをつけていきましょう!