円安や物価上昇の影響で外貨預金に興味を持ち、実際に口座開設する人も増えています。
メリットもありますが、為替や手数料の関係でデメリット多いのも事実です。
今回は本当はあまり言いたくない「外貨預金をおすすめしない理由」を解説します。
- 円安だから外貨預金に興味がある
- 日本円以外の資産もいるよね?
- 外貨預金のデメリットは何があるの?
- やったほうがいいの?やらないほうがいいの?
結論
外貨預金はデメリットが多いのでおすすめしません。
これは持論なので外貨預金が悪いわけではありませんが、自分は他の方法で日本円以外の資産を作っていきます!
理由をこれから解説します。
外貨預金する理由
外貨預金とは金融機関の口座で日本円以外の通貨(例えばドル)を持つこと。
ざっくり言えばこんな感じです。
- 円安で日本円の価値が下がるから
- ドルに変えたほうが得だから
このような理由で外貨預金を始める人も増えています。
各金融期間から利回り5%以上など魅力的に見える商品が並んでいるので、今やっておかないと損!となりがちです。
円以外の資産も持てて、普通預金の年利0.001%に比べるとはるかに効率的に見えますが、なぜおすすめできないのか。
外貨預金のデメリット
ここからは外貨預金のデメリットをそれぞれ解説します。
- 為替手数料が高すぎる
- 為替相場の変動に対応しにくい
- 高利回り商品は「外貨定期預金」が多い
- ペイオフ(預金保険制度)の対象外
- 海外で引き出せない可能性がある
為替手数料が高すぎる
日本円から外貨への預け入れ、外貨から日本円に引き出す2つのタイミングで片道ずつ為替手数料が発生します。
他にも外貨で預け入れ、引き出しする場合にも手数料が発生します。
米ドルの場合
・円で預け入れ、引き出し
1ドルあたり25銭(窓口は1円)
・外貨現金で預け入れ
1ドルあたり2円
・外貨現金で引き出し
1ドルあたり1円80銭
※外貨定期預金および外貨貯蓄預金の場合、1ドルあたり1円。
例えば100万円を元手に1000ドル預けるとします。
・1ドル100円
・外貨預金の年利5%
この場合
円→ドル
25銭×1000ドル=250円
ドル→円
25銭×1000ドル=250円
往復で合計500円発生します。
年利5%で運用されたの場合の利益は50ドル。
円換算すると50ドル×100円=5000円。
手数料10%かかる計算になります。
ただ、これは利回りが高い場合で、外貨普通預金の年利は0.01%がほとんどです。
年利0.01%で運用された場合の利益は0.1ドル。
円換算すると10円。
利益よりも手数料が高くなります。
実際は元手資金や運用期間によって変化しますが、場合によっては利益より高い手数料を払わされる可能性もゼロではありません。
金額だけ見ると「そのくらい払っても問題なくない?」と思いがちですが、利率で考えると無視できませんね。
為替相場の変動に対応しにくい
外貨預金は日本円をドルなどの外貨に交換して運用するため、為替相場(レート)の影響を受けます。
1ドル100円の時に100万円を1000ドルに交換して外貨預金しました。
1000ドルを引き出す時に、1ドル200円になっていたら200万円戻るので利益は100万円です。
一方で1ドル50円になっていたら50万円しか戻ってきません。
もちろん手数料も発生します。
外貨預金は円高になったら損すると言われるのはこのためです。
円高になったら損失が大きくなる前にすぐ引き出せばいい!となっても、実際には引き出しや解約手続きで時間がかかることもあります。
もちろん為替相場は待ってくれないので、特に相場急変時にすぐ対応できないのは大きなデメリットですね。
高利回り商品は「外貨定期預金」が多い
円安や物価上昇の影響で外貨預金する人が増えて、金融機関も年利5%や8%などの高利回り商品を出したりキャンペーンを打つケースもあります。
ほとんど増えない日本円の預貯金と比べてはるかに利回りが高いのは魅力的ですが、ほとんどの場合は定期預金です。
普通預金に比べて
- 最低預け入れ金額が増える
- 引き出しや解約のハードルが上がる
- 中途解約すると元本割れする
といったリスクもあります。
中途解約して損する覚悟で引き出すか、満期まで保有してその時の相場が良いことを祈るしかない可能性もあります。
ペイオフ(預金保険制度)の対象外
ペイオフとは万一金融機関がつぶれても、預金等の資産が保護される制度です。
預金保険制度は、万が一金融機関が破綻した場合に、預金者等の保護や資金決済の履行の確保を図ることによって、信用秩序を維持することを目的としています。
預金保険制度により、当座預金や利息の付かない普通預金等(決済用預金)は、全額保護されます。
定期預金や利息の付く普通預金等(一般預金等)は、預金者1人当たり、1金融機関ごとに合算され、元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。
それを超える部分は、破綻した金融機関の残余財産の状況に応じて支払われるため、一部支払われない可能性があります。
※引用:金融庁HP(https://www.fsa.go.jp/policy/payoff/)
外貨預金は保護対象外です。
普段あまり意識することはありませんが、注意したいですね。
海外で引き出せない可能性がある
個人的にはこれが一番大きいかもしれません。
外貨預金と聞くと、例えば日本円をドルに交換するから、海外に行った時にいつでも自由にドルを引き出せるんでしょ?
このように思いがちです。
実際に自分もそう思っていました。
ただし、基本的に国内銀行に預けた外貨預金は国内銀行でしか引き出せません。
国内銀行口座に預けた外貨預金を海外のATMで現金で引き出せたとしても、1ドルあたり3円などかなり高い手数料が発生することがあります。
外貨預金なのに海外で引き出せない可能性があるってどうなの?
これは正直あります。
デメリットまとめ
- 為替手数料が高すぎる
- 為替相場の変動に対応しにくい
- 高利回り商品は「外貨定期預金」が多い
- ペイオフ(預金保険制度)の対象外
- 海外で引き出せない可能性がある
もう少し補足すると
- 都合よく円安になるとは限らない
- はっきり円安にならないと手数料の関係で儲からない
- やめる場合もタイミング分かりにくい
- 手続きの関係ですぐに対応できないかも
- 海外で出せない外貨預金ってどうなんだろう
このように考えたら
まだ米ドルとかはマシとして、相場が不安定で手数料が高いトルコリラや豪ドルといった新興国通貨はリスク高すぎてできません。
もし自分だったら
外貨預金するなら海外の銀行口座を開設して預貯金します。
手数料高くて海外で出せない可能性があるなら、わざわざ国内の金融機関を介して外貨を預ける必要がないからです。
日本円以外の資産形成は、外貨預金以外の方法でやります。
まとめ
今回は外貨預金のデメリットやおすすめできない理由を解説しました。
これはあくまで持論で正解、不正解はありません。
もちろん外貨預金が悪いものというわけでもありません。
メリットもあるけどデメリットもあるから、自分に合うかどうか、必要かどうか見極めていきたいところです。
世間で流行っているからといったふわっとした理由だけで始めると大損するかもしれません。
今回の内容が参考になると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございます!