お金や金融と聞くと怪しい、汚いといったネガティブな印象を持たれることも少なくありません。なぜお金のイメージは悪くなりやすいのか、理由や背景を解説します。
もちろん、様々な説や考え方、価値観があるので正解不正解はありませんし、私の考えを押し付けるつもりも全くありません。そんな考え方もあるんだなといった感じで参考になればと思っています。
結論
ネガティブな印象を持たせて、働かざる者食うべからず、資産運用は怪しいと考える人が多数派のほうが都合が良いから
お金のイメージを悪くさせたのは?
いったい、日本人はいつから「お金=怪しい、詐欺?卑しい、汚い」といったネガティブな印象を持つようになったのか。
これも諸説ありますが、江戸時代の徳川幕府が、一般庶民に対して「お金は卑しい」イメージを植え付けたのでは?ともいわれています。
自分も学生時代、社会や日本史の授業で「士農工商」という身分制度を勉強しましたが、あれって、なんであの順番なんだろう?とずっと不思議でした。
将軍や大名、旗本たちは武士なので、彼らがトップに来るのは自然な形ですよね。
武士の次に置かれたのが農民。
これは年貢を納めるのは彼らなので、不満がたまって一揆などを起こされるのを防ぐために、身分制では武士の次にしたとも言われています。
ここまでは学校の授業で習いましたが、なぜ「工商」の彼らが、そして商人が一番下に置かれたのか。
これを学校の先生に聞くと、ほとんどの場合
- そういうもんだから
- 当時はそう決められていた
- テストで出ないから、とにかく「士農工商」」を覚えたらそれでいい
たいていはこんな感じの回答がかえってきたような気がします。
まあ、そりゃそうかもしれないけど・・って感じでモヤモヤしたんですよね。
その後、社会人になってお金の勉強も本格的に始めると「商売する人は卑しい」イメージを植え付けたかったからではないかと考えるようになりました。
現代でも、テレビドラマの時代劇に出てくる商人は、もちろん全てそうではありませんが、悪知恵を働かせて、どうすればボッタくれるか考えるキャラが出てくることも多いです(苦笑)
では、なぜそのような悪いイメージをつけさせたかったのか。
そのほうが支配しやすいからです。
支配する(統治する)側からすると、一般庶民が賢くなって知恵をつけ、商売上手で財力を得ると困ります。
財力を得ると武器弾薬をたくさん買える、つまり軍備増強で幕府にとっては脅威になる。
だから、幕府に反乱を起こさないように、力を削ぐ必要がありました。
参勤交代もその1つです。国元と江戸の往復は莫大なお金がかかります。たくさんお金を使わせて、力を削いでいたわけです。
いまもイメージは悪いまま
その後明治になり、時代は変化し続けていますが、お金のイメージは悪いまま。
義務教育でもお金の基本や本質、資本主義の基本は仕組みは教えられません。
iDeCoやNISA、保険や不動産投資などを教わっても、それはあくまで手段の一つです。
なぜ義務教育などで教えられないのか。
これも様々な説はありますが、国民が賢くなる、いろいろ気づくと都合が悪い、困る人たちもいるのかなと思います。
もし大多数が資産運用に目覚めて、今よりも労働しなくなったら、国や会社の上層部は困ります。
そのため、大多数が、
お金儲けは卑しい怪しい汚い、投資は怖いリスク大きいと考えて、大衆の意見に反する考えや行動をする人を叩いてくれたほうが都合良いのです。
まとめ
時代は変わっても根っこの部分は江戸時代から変わっていないと思います。
お金は汚い、卑しいと思っていたとしても、生活するうえでお金は一番身近な存在で無視できないといっても過言ではありません。
言葉ではいろいろ言っていたとしても、「お金のこと何とかしたい、何かしていかないとまずいと思っている。でも何からどう始めたらいいか分からないし、周りにも相談できない」と考えている人が多いと感じます。
身近で無視できないものだからこそ、自分自身は、お金をタブー視せずに向き合って、家族や周りの大事な人とも話をすることは大事だなと考えています。
今までは問題なかったとしても、このご時世、この先どうなるか誰にも分かりません。
分からないからこそ、どうなっても不思議ではない前提でコツコツ対策する必要があるかなと思います。