結婚式をしたいけどコロナ禍でしていいのか、やめたほうがいいのか悩むカップルや家族、ゲストや関係者も多いと思います。
コロナに限らず、有事(非常時)の時に、どう考えたらいいのか、実際に2020年12月に結婚式を開催した立場で、特に気をつけた、意識したい内容を経験談も含めて整理しました。
あくまで個人の見解であり正解や不正解はありません。状況は常に変化し、自分がコントロールできる部分もあれば、できない部分もあります。
何事も最終的には自分自身の判断と責任です。この内容通りにしてうまくいかなかった、損害を被ったといったクレームは受け付けかねるので、あらかじめよろしくお願い申し上げます。その点をご了承のうえで、参考になれば幸いです。
結論
- 自分たちはどうしたいのかパートナー同士で何度も忖度なく話し合う
- 「最終的には自己責任」を何度も周知して意識付けする
そもそも大前提として、結婚式を主催する立場の自分たちがどうしたいのか、明確にすることが必要です。
ここがしっかりしていないと、家族や友人、会社関係者などのゲストや式場などのスタッフから様々な質問や相談が来た時にブレブレになってしまうからです。
「そもそも自分たちはどうしたいんだっけ?」これは結婚式を検討する時、会場を決める時、会場を決めて具体的に打ち合わせをする時、どのタイミングでも忘れないようにしてください。
私たちも「進路」に迷った時は常に「この原点」に戻ることを心がけました。
たとえ、親や兄弟などの家族親戚といった周りが「結婚式しないの?やろうよ」と言っても、新郎新婦の2人が「今はリスクが大きいから、やらないほうがいい」と判断したら、やらないほうがいいです。
一方で、周りが「結婚式いまは危なくない?延期したら?」と言ってきて、自分たちは結婚式をしたい、どうやったらできるかまずは考えてみるのも大事です。
できる道を探した結果、やっぱり厳しいとなれば延期や中止をすればいいわけで、やると決めた以上、絶対にやらないといけない決まりもありません。
中止や延期の考え方はあとで解説しています。
自分たちも親族も友人も会社などの関係者も、全員、最終的には自己責任で開催、参加することを徹底し、何度も耳にタコができるくらい、招待予定の方々に周知しました。
「いざというときは責任とれないので、最終的には自己責任でご参加ください」とストレートに電話やLINEなども使って説明し、招待状にも、その旨はもちろん「いつでも遠慮なくキャンセルもしてください」と記載しました。
このあたりのニュアンスや伝え方などはプランナーさんとも打ち合わせしながら進めていきました。
もちろん本当はこんなことしたくありません。
ただし、このご時世で何が起こるか全然分からないし、万一感染したとしても誰のせいでもなく責任をとれないから。
「自分たちはこう考えるから結婚式をする」と2人で決めたからには、自分たちでできる範囲のことはできるかぎり準備、対策する、ゲストにも周知する必要があると考えました。
「じゃあ結婚式するなよ」といった考え方もあると思います。人それぞれ考え方や価値観があるので、何が正解で不正解とかはないです。
そのうえで、
- 契約時に契約書を隅々まで確認、不明や疑問点は質問する
- 有事ならではの特例事項の有無を確認する
- 疑問や不安はなんでも何度もプランナーさんやスタッフにぶつける
- 会場の感染対策の状況や考え方を確認する
- 万一感染者が出てしまった時の対応や考え方を確認する
- 延期するほど事態は悪化する可能性が高い
- ダラダラ延期はしない(お金と時間の無駄)
- もし延期するなら目的と期限を決める
- 無理に開催しない
- 結婚式をするのが目的ではない
これらの内容を1つずつ確認していきました。
契約書の確認
結婚式はどうしても浮ついた気持ちになります(笑)晴れの舞台だからこそ、これは全員通る道です。
そのため、結婚式場との契約の確認も適当になりやすい、金銭感覚も麻痺して大事な内容を見落としてしまい、あとで後悔するパターンも少なくありません。
私たちも1回目に検討した会場で契約した時は、「これで結婚式できるんだ」とふわふわした気持ちになり、契約書も隅々まで読まないままサインして、
あとになって「これってどうなるんだっけ?えっ?この話聞いていない」などとトラブルに原因にもなりました。
平時や有事に関係なく契約は最後まで付きまとう内容です。
サインすると契約内容に合意したことになるので、契約書に書いてあるのに「この話は聞いていない」と主張しても覆すのは難しいです。
自分たちの身を守るためにも、晴れの舞台で油断しがちだからこそ、契約のときは契約書の隅々まで、たとえ面倒くさくても2人で確認してください。
そして不明点や疑問点はひとつずつプランナーさんや担当者に確認して消化していきましょう。
「こんなこと聞いたら失礼かな、恥ずかしいかな」とか一切ありません。むしろ「分かったつもり」になるほうが危険です。
契約書を目の前でしっかり読み込んで質問することで、プランナーさんや担当者も「この人たちは本気だな」と考えます。
もし
- えっ?なんでそんなこと聞くんですか?
- そんなこと気にしなくても大丈夫ですよ
- 細かい部分は読まなくても大丈夫ですよ
- 考えすぎですよ、なんとかなりますよ
暗に「はやく契約しろよ」みたいな雰囲気を出してきたら、たとえ式場の雰囲気などが気に入ったとしても、自分であれば契約しません。仕切り直して別会場を検討します。
特例事項の有無を確認する
有事ならではの特例事項があるのか、ないのか確認をします。
式場側から「このご時世なので、通常時とは別で特例を用意しています」と紹介されることもあれば、何も説明されないパターンもあります。
何も説明がない場合は、「このご時世ですが、何か特例などは通常契約と別で用意されていますか?」と聞いてみましょう。
中止や延期の際のキャンセル料の扱いなどの特例を定めているところもあります。
もし、「特にありません」と言われたら、通常の契約書を再度確認し、特に中止や延期、キャンセル料の部分の内容が、万一の時はどう適用されるのか、事例を挙げながら確認してみてください。
- 緊急事態宣言が発令されたら
- 感染者数が爆発的に増加したら
- 自分たちが万一感染したら
- 家族が感染したら
- 友人などゲストが感染したら
- 感染していなくても濃厚接触や疑いを含む場合は
といった感じで、考えられるものはぶつけてみましょう。
そこで、
いや何があろうと通常の契約規定が適用されるので、新郎新婦や家族が感染したとしても、中止、延期、参加キャンセルすると、別途違約金が発生します
となるかもしれないし、
このご時世なので、中止は通常の規約が適用されますが、延期やゲストの当日キャンセルについては柔軟に対応します
となるかもしれません。
これらの対応は式場によって千差万別です。
何が良い悪いではなく、式場側のスタンスや考え方もあるので、契約前から「それはおかしいだろ!」と文句を言いまくるのではなく、「これもご縁、相性だな」と割り切ったほうが精神的にも楽です。
これは契約書や特例に限らずですが、疑問や不安はなんでも何度もプランナーさんやスタッフにぶつけましょう。
そのやりとりの中で「相性」を見極めていくのも1つの方法です。スタッフの方々とのやりとりは準備や当日も含めて欠かせないので、自分たちとスタッフの間に「距離」があると難しくなります。
感染対策について
全く対策していませんといった会場は少ないと思いますが、どのような感染対策をしているのか、万一感染者が出てしまったらどうしているのか確認をしましょう。
- 入口で毎回検温&手指消毒
- スタッフは全員マスク着用&随時手指消毒
- パーティー会場収容人数の削減、換気
- 立食形式パーティーの中止
- ゲストへ感染対策のチラシ封入
このような通常考えられる対策はもちろん、式場独自の対策とかもあれば聞いておきたいところです。
延期の考え方
もともと2020年4月にするつもりだったけど感染者の増加と緊急事態宣言の発令で10月に延期、やっぱり状況が悪いので2021年5月に延期、すると今度も緊急事態宣言が出て延期・・・といった感じで「延期のループ」状態になっているカップルも多いかもしれません。
式場によっては、このご時世なので、今後もこちらで開催してくれるなら延期料は徴収しません、一旦徴収しますが、結婚式費用の見積もりに充当しますといった対応をしているところもあります。
ただ、これも結果論になってしまうので、それこそ正解はありませんが、「延期するほど事態は悪化する可能性が高い」と考えています。
私たちの場合は最初2020年5月末に結婚式を予定して、契約も済ませ、実際に打ち合わせも始めていましたが、状況悪化にともない中止しました。
妻からは「せめて延期じゃダメなの?半年くらい待てば状況が良くなるかもしれないじゃん」と言われましたし、プランナーさんからも延期の提案を受けましたが、当時自分の中で延期の選択はありませんでした。
というのも「じゃあ半年延期して、半年後に結婚式を無事にできるといえるのか」と考えた時に、「全然分からない、むしろ今よりも悪化する可能性が高い」と思ったのです。
「状況が良くなったら、今よりマシになったら」と考えたい気持ちも分かりますが、「じゃあそれはいつなの?」となります。
「1年後くらいには収束するだろう」といった見方もありましたが、結果的には良くなるどころか悪化しています。状況がどうなるか誰にも分かりません。
式場側に聞いても、彼らは結婚式してほしいわけなので「そうですね〜状況が良くなるといいですね」としか言えません(苦笑)
状況が良くなるか誰にも分からない以上、自分たちで決めるしかない。たとえ延期しても、その間に貴重な時間はどんどん過ぎていきます。
例えば、なかには結婚式をした後に妊活を考えているカップルも少なくないと思います。私たちも子どもがほしいと考えていたので、いつまでも結婚式を先延ばしにできない事情がありました。
『時間は有限だからこそ、ダラダラ延期はできない!』
延期を巡って一時、妻とも険悪ムードになりましたが、何度も話し合いを重ねて自分の考えを伝え、もちろん妻の考えも聞いて、すり合わせをしました。
「今から考えたらあの時中止をしてよかった」と言われますが、自分の中で軸を持つことは大事です。軸がないとブレブレになってしまい、「この人大丈夫?」とますます不安になってしまいます。
もし延期する場合は目的と期限を決めましょう。「○○に延期する。理由は○○。もし状況が良くなければ中止」といった感じです。
そんなこと言ってもキャンセル料かかるじゃねーか!
はい、このような「有事」にも備えるために、契約時に契約書を読み込む、特例事項の有無を確認する、万一延期や中止の時の式場側のスタンスや対応を確認することは欠かせません。
私たちの場合は中止を決めたとき、キャンセル料は通常規約通りいただきますといった対応で、最悪訴訟寸前まで行ったものの、交渉を重ねて最終的には実費を除いた全額返金されました。
このあたりの詳細は別の機会に書きますが、もちろん運が良かったのかもしれませんし、これも結果論です。
ただ、とらなくていいリスクはできる限りとりたくないし、とってほしくないので、私たちの失敗経験も含めて参考になればうれしいです。
無理に開催しない
たまに強行突破を考える人がいますが、無理に開催しても誰も得をしません。結婚式はあくまで手段であって目的ではないからです。
結婚式をすることで
- 家族や親戚に自分たちの晴れ姿を見てもらいたい
- 普段お世話になっている友人などゲストに祝ってもらいたい
- 久しぶりに会うゲストとの時間を楽しみたい
といった本来の目的があるはずです。
強行突破することで
- 自分たちも本当にやっていいのかモヤモヤ
- 家族や親戚も感染などを恐れてモヤモヤ
- ゲストも「本当は来たくないけど断りにくい」モヤモヤ
もちろん開催するとお金はかかるわけなので、お金は出ていくわ、もやもや感は残るわで、「いったい誰が得をするの?」状態になってしまいます。
最終的には新郎新婦の2人が決断を下しますが、それでも悩みに悩みまくると思うので、自分たちだけで解決しようとせず、親や兄弟など信頼できる人たちに何度でも相談してください。
まとめ
今回は
「有事の時に結婚式をしてもいい?やめたほうがいい?」について解説しました。
あくまで個人的な見解で正解はありませんが、自分たちの経験が参考になると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。