マイホームか賃貸か、これは永遠のテーマといっても過言ではないですが、自分自身が今はまだマイホームは必要ないと考える理由を解説します。
世の中に正解はなく、人それぞれ考え方や価値観、資産状況等も全然違います。
もちろん住宅を建てることが悪いわけでは全然ありませんし、すでにマイホームを購入して所有されている方や今後購入を希望されている方を批判するものでもありません。
今回の記事はあくまで私個人の考え方、持論がかなり含まれています。これらの点をご理解のうえで参考になれば幸いです。
結論
- 小回りが利かない(場所、人間関係、防災リスク)
- 経済的問題(住宅ローン返済のリスク)
- 結局は円建て資産のリスク
- 将来的な相続問題
今回の記事では上記理由のうち
- 小回りが利かない(場所、人間関係、防災リスク)
- 経済的問題(住宅ローン返済のリスク)
について解説します。
小回りが利かない
不動産の言葉の通り、土地や建物は動かしたくても簡単に動かすことはできません。
最近は大雨や台風、地震などの災害も多発して、家が浸水や倒壊の被害を受けることも増えました。
これは不動産に限った話ではありませんが、リスクをゼロにすることはできません。
南海トラフ巨大地震級が発生しても被害をなくすことは非常に難しいですし、災害リスクを完全にゼロにすることは不可能です。
巨大地震が発生する確率を一生懸命議論するよりも、いつ地震が発生してもおかしくない、予想を超える被害が発生する前提で、防災などの準備を進めるほうが、はるかに重要だと考えています。
もし今後自分がマイホームを建てるとしたら
土地や建物、周辺環境、人間関係、これらのリスクを整理すると思います。
土地や建物リスク
- 土地柄や地名の由来
- ハザードバップで水害や土砂災害発生の危険性
- 地盤被害(液状化現象など)マップ
- 震度被害(地震発生時の揺れやすさ)マップ
- 建築基準法の水準以上に住宅の耐震性を高める
ハザードマップポータルサイトでは、様々なリスクを重ねて表示できる「重ねるハザードマップ」などのサービスもあるので活用したいですね。
ハザードマップで調べるだけでは分からないことも多いので、実際に現地調査をしたり、建築士など専門家の人に依頼します。
完全にリスクをゼロにはできないので、例えば地盤に弱点があれば補強工事もするかもしれません。
周辺環境、人間関係
- 周辺環境(スーパー、病院、公共交通機関、騒音、治安など)
- ご近所付き合いがどうなりそうか
- これまでに人間関係のトラブルはあったか
土地や建物自体も大切ですが、その周辺の環境や人間関係も無視できません。
これも正直完璧にリスクをゼロにはできません。
仮にマイホームが完成した時は良かったとしても、
- その後引っ越してきたお隣さんがとんでもない人だった
- 便利で使っていたスーパーや病院が閉まった
- 新しい高速道路が作られて騒音がひどくなった
- 一般道路が拡充されて、家の前が幹線道路になった
などで変わることも少なくありません。
これらの内容を考えて自分の状況と照らし合わせたとき、自分にはまだデメリットやリスクが大きいと考えました。
デメリットを超えるメリットを感じたり、とれるリスクがはっきりするまでは、簡単に動かせないマイホームを建てない、買わない、持たないということも1つの選択肢かなと考えています。
経済的問題(住宅ローン返済のリスク)
もし場所、人間関係、防災などの問題があっても経済的問題や負担は大きいと考えています。
土地と建物を購入するとなると、5000万円〜7000万円くらい、高いものでは合計億超えになるケースもあると思います。
ほとんどの場合は銀行や住宅会社経由で住宅ローンを組み、35年といった長期間かけて返済していくパターンと思われます。
ひとことでいえば「35年間借金を背負う」ことになるわけです。
このリスクをとれるかと言われたら、いまの自分はとれません。
いま順調に毎月払えたとしても、人生どうなるか誰にも分かりません。むしろ思い通りにいかないものだと考えています。
いま会社員として特に大きな問題もなく働いて給料を稼ぐことができていても、業績悪化で給料が大幅に下がったりボーナスがカットされるかもしれない。解雇される可能性もゼロではありません。
2020年2月頃から本格化したコロナ禍でも、会社の業績悪化で解雇される、大幅に給料やボーナスをカットされるケースが激増しました。
給料減や解雇は家計に直接影響を与えるので、資金繰りが一気に悪化してローンが払えず、泣く泣くマイホームを手放した事例も増加。
日本経済が右肩上がりに成長していた頃は、一生懸命働けば給料も増える、ボーナスも満額もらえる、若い頃は少なくても年功序列で上がっていく状況でした。
ただし、いまはそうではありません。終身雇用・年功序列を前提にローンを組んでしまうと、時代や状況の変化に対応することが非常に難しくなります。
20年後、30年後どころか、1年後5年後どうなっているのか全く想像できない世の中です。
そのような時に「35年ローン」を組むのが果たして良いのかどうか。
コンビニでパンやおにぎりを買うレベルではないからこそ、真剣に考えていきたいと思います。
まとめ
最もしてはいけないのは、今回紹介したような内容を考えないまま、憧れだけでマイホームを買ってしまうことです。
コンビニでおにぎりやパンを買うような話ではなく、金額も大きく、一度買うと簡単には動かせないモノです。
自分や大切な家族、住む人の命や財産を守るためにもリスク管理はしっかり行っていく必要がありますね。