日本人に足りないものは適正な金融教育という信念のもと、お金の考え方や資産形成の重要性をお伝えしていますが、よくあるのが「今は給料も貯金も少なくて運用できないから勉強するのは難しい、やっても意味がない、関係ない」といった反応です。
お金や資産形成って聞くと
- 既にお金がある人が取り組むもの
- お金持ちがやるもので一般人は関係ない
- 給料が貯金も少ないから運用どころではない
- 種銭(元手資金、軍資金)がないと意味がない
- お金がないのにお金の勉強をしても意味がないのでは?
などと思われがちです。
投資、資産運用をするには種銭(軍資金)が必要なのは紛れもない事実です。
ただし、だからといってお金がない人はまだ勉強する必要がないわけではありません。
むしろ、現状がどうであれ、お金の有無に関係なく、むしろお金がない時こそ、お金の勉強をするのは欠かせないからです。
「お金の勉強や実践は、すでに投資をする余裕がある人がやるもの」と考えていると、損をする可能性があります。
今回はそのあたりの内容を解説します。
お金がある人が勝つとは限らない世界
- お金がないからできません
- 給料や貯金が少ないから運用はできません
- 給料や貯金が少ないので勉強しても意味がありません
このように考える気持ちも分かります。以前の私もそうでした。
投資(資産運用)はお金がある人がするもので、日々の生活の家計やりくりに必死な状態でやるもんじゃない、勉強しても実践できないから意味がないと考えていました。
ただ、それは大きな勘違いでした。
- 投資(運用)には種銭(元手資金、軍資金)が必要
- 投資に回せるお金が多い人ほど有利
これは紛れもない事実です。
ただし、「お金がある人ほど投資で成功する」とは限りません。
種銭(元手資金、軍資金)が1000万円あるAさんと10万円のBさんがいたとします。お金を多く持っているAさんが絶対に勝って資産を増やすかと言われたら、そうとも限らない。
むしろAさんの資産がゼロになり、コツコツ殖やしたBさんが将来的にAさんよりも多くの資産を手に入れることも少なくない。
自分自身、今まで様々な投資コミュニティに所属したことがありますが、同じ情報を得ていても、一夜で800万円がゼロになった人もいれば、10万円からコツコツ始めて100万円を超えた人もいました。
なぜこのようなことが起こるのか。
- お金の勉強をコツコツしっかりしていたか、していなかったか
- お金の考え方を知っていたか知らなかったか
もし、あなたがAさんのように潤沢なお金があっても、しっかりした土台がなければ、よく分からない変な投資詐欺などにお金を突っ込んで、一気にお金を溶かす可能性もあります。
たくさんお金がある人のところには詐欺師もたくさん寄ってきます(笑)
どうすればお金持ちからたくさんお金を搾取できるか考えている怪しい人たちもいます。そのような人に狙われて、一生懸命作ったお金を都合よく搾り取られたら元も子もないですよね。
だからこそ資産1000万、1億、それ以上に増えたとしても、お金の勉強をやめたらいいわけではないし、やめる人はほとんどいません。むしろ資産が増えるほど、さらにお金の勉強をする人が多い。
一方で
今はお金がなくても、お金の考え方という土台をしっかり作って日々強固なものにしていくと、将来的に種銭ができて実際に運用ができる状況になった時、変な投資案件や詐欺師に騙されるリスクを減らせます。
「スマホポチポチで楽して稼げますよ」「あなたは何もせず寝てるだけで毎月50万円自動でお金が入ってくる」といった甘い勧誘やギャンブル話に一喜一憂することなく、本当に大切な投資にお金を入れて、堅実に資産形成をしていけます。
土台は一朝一夕で構築できるものではありません。
付け焼き刃の知識の状態だと、百戦錬磨の詐欺師連中から狙われた場合、防御するのが難しくなります。
おとぎ話で「三匹の子ぶた」があります。
わらで作った家とレンガで作った家、どちらが強いかと言われたら後者です。
もし火をかけられたら、わらの家は簡単に燃えてしまいますが、レンガの家は簡単には燃えません。
もちろん資産形成は防御だけではなく攻撃面とのバランスが大事ですが、安心安全を手に入れて、いざという時、変な怪しい案件とかに搾取されないためにも、今や将来も含めてお金があるかないかに関係なく、土台や基礎の強化は欠かせません。
できない、ではなく、どうすればできるようになるか
「給料や貯金が少ないから運用できない、だから、お金の勉強もまだはやい」といったパターンはかなり多いです。
ただ、これまで説明した通り、今お金がないからお金の勉強や資産形成をしなくていいわけではありません。
- どうすれば種銭を作れるか
- 今後実際に運用できる状況になったらどう始めるか
- 変な投資詐欺に引っかからないようにするには?
このように
勉強しながらシミュレーションを重ねることが欠かせません。
例えば
給料も上がらず、家事育児、住宅ローンの支払いなどで家計が厳しい場合、
- 収入と支出の現状を把握
- 無駄な支出はないか
- 未来に向けた支出(対策)はしているか(預貯金、保険、運用など)
などを洗い出していく必要があります。
そのうえで、
- 給料が少なすぎるなら転職などを考える
- 実際に資産形成をするつもりで毎月いくら貯金していく
といったことを始めていきます。
これらのことをする、しないでは将来大きな差になります。
これは自分も時々忘れがちなので気をつけたいですが、できるかできないかよりも、やるかやらないかが大きいです。
- 今できなくても、どうしたらできるようになるか考える
- 分からないこと、疑問や不安に感じる内容は、実際にやっている人に質問する
お金も一緒です。
今、種銭がなくて運用できる状況ではなかったとしても、どうすれば種銭が作れるか考える。
- お金ないからできませんとフェードアウトするAさん
- 今は厳しいけど、どうすればできるようになるか考えるBさん
今お金がないから何もしない人が圧倒的に多いなかで、両者の差は時が経つほど大きくなります。
貧富の差は拡大し続ける
富裕層ほどお金の重要性や金融、資本主義社会の仕組みを知っているので、毎日お金の勉強や情報収集、実践をしています。
一方で、一般人は
- お金の考え方を学ぶ機会は全くない
- お金を稼ぐ手段は労働しかないと思っている
- お金の情報を持ってくる人は全員怪しいと思い込んでいる
- 一攫千金を夢見て、変な投資詐欺に騙されて都合よく搾取される
- 表面的な手数料や利回りばかりみて、見えない手数料や仕組みを知らない
- 投資詐欺の被害にあった人は、お金へのイメージが悪くなって、お金の勉強や情報を避ける
といった感じで、資産形成から遠くなりがち。
これでは、富裕層はさらに資産が増え、一般人は増えるどころか減る。そして貧富の差はますます拡大するわけです。
資本主義の闇ともいわれますが、私たちが生活する日本も資本主義社会なので、これは避けたくても避けられません。
本来ならば義務教育で子どもの頃からしっかり、お金の勉強をする環境を作ってほしいですが、残念ながらそのような仕組みができるのは、はるか先になると思います。
社会人になっても国や企業が本当のことを教えてくれるわけでもなく、日々の生活や老後の生活の面倒を見てくれるわけでもありません。
年金2000万円問題、副業解禁などのニュースも大きな話題になりましたが、これからは年金、退職金、毎月の給料に依存するのは非常にリスクが大きい時代になりました。
このような状況になっているからこそ、自分の生活や将来(老後)の資産形成は自分でする、お金の勉強や情報収集も日々続ける意識を、さらに身につけていきたいですね。